私は、小さい頃から商売をしている姿を夢見ていました。そんな時に豆腐という素材と出会い、商売を興そうと一大決心をいたしました。30歳で脱サラをし、堺の松尾さんのところで修行させてもらうことにしました。半年位は無我夢中で働きました。
 少し余裕が出来てきた時に行商に行くことを思いつき、主人の承諾をもらいました。
 お店の勤務は4時ごろで終るので、その後に軽四輪の荷台に豆腐を積んで出発いたしました。何処に行ったらいいのか、何処で売ったらいいのかさえ解らず、不安でいっぱいでした。